【京都】初めて祇園祭に行くなら「鉾建て・山建て」の見学もおすすめです♪

祇園祭

「祇園祭」はなんと、7月1日〜7月31日までの1ヶ月間も続くことをご存知でしょうか。

今回ご紹介する「鉾建て・山建て」は「前祭」 7月10日〜14日、「後祭」7月18日〜21日です。

「鉾建て・山建て」は、各鉾町によって部品に書いてある方位の書き方や、作業の開始時間、進め方が違うので渡り歩くのも面白いと思います。

「鉾」を試し曳きする「曳き初め」にも参加できますよ ^ ^

はじめに祇園祭のこと

「祇園御霊会」から「祇園祭」へ

八坂神社が比叡山に属す「祇園社」と呼ばれていた平安時代の前期、貞観(じょうがん)5年(863年)に疫病が大流行してたくさんの人が亡くなり「神泉苑」にて御霊を鎮めるため「御霊会(ごりょうえ)」が行われました。

その翌年の貞観6年〜8年(864年〜866年)にかけて富士山の大噴火が起き、貞観11年(869年)には陸奥で起きた大震災により全国的に地殻変動が続き、社会不安が深刻化したそうです。

そして、災厄を取り除くため「神泉苑」に当時の国の数66ヶ国にちなんで66本の鉾を立て、「祇園社」から祇園の神様を迎えて祀り、神輿を送って災厄の除去を祈ったことが「祇園祭」の始まりといわれています。

御霊会(ごりょうえ)

御霊会とは、疫病は恨みを現世に残したまま亡くなった人々の怨霊の祟りであると考えられていたため、疫神や死者の怨霊などを鎮めなだめるために行うお祭です。

祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)

「祇園祭」は、当初「祇園御霊会」と呼ばれていましたが、明治維新による神仏分離令によって「祇園社」は「八坂神社」になり、お祭り名は「祇園祭」に変わりました。

神泉苑(しんせんえん)

平安京遷都の時に造営された、南北約500m、東西約240mもの広い庭園(今の京都御苑の約半分弱の面積)でした。大池を中心に森林など自然を取り入れた見事な庭園は美しく、多くの歌人によって和歌に詠まれ、嵯峨天皇が日本で最初に花見をした場所としても有名です。

神泉苑

祇園祭は「八坂神社の神事」と「山鉾町の行事」

祇園祭は八坂神社の祭礼で、お祭りの無事を祈願する「切符入(きっぷいり)」に始まり、稚児の社参り、鉾建て、宵山、神幸祭、還幸祭など様々な行事の後、八坂神社での「疫神社夏越祭(えきじんじゃなごしさい)」で終わりを迎えます。

日程が写真入りで分かりやすいデジタルブックを見つけたのでご紹介です。

クリックすると祇園祭りデジタルブックが見れます。

デジタルブック出典:KYOTO designより

「縄がらみ」を次に伝えながらの「鉾建て」

鉾建ての見学に行こう!

「山鉾巡行」だけでなく、各鉾町で組み立てられる「鉾建て・山建て」も見所がいっぱいです。

完成すると、懸装品(けそうひん)の下に隠れてしまう芸術的な職人技もぜひ見てみてくださいね♪

「縄がらみ」を次に伝えながらの鉾建て

鉾建ては、釘を使うと揺れによる軋みで木が割れてしまうので「粗縄」を使って「縄がらみ」という伝統的な技法で木組みを固定していきます。

「縄がらみ」は「粗縄」を2本取りにして、木槌で叩いて角に馴染ませながらしっかり綺麗に巻いていきます。ベテランさんと若い職人さんの2〜3人1組で、教わりながら作業していました。

縄がらみ

そして筋交い部分は、鉾にかかる衝撃をやわらげるように「粗縄」を1束づつバネのように巻いて固定していきます。

縄がらみ

蝶のようになりました!よくきれいにできますね ^ ^

縄がらみ

「縄がらみ」に使われる「荒縄」はもち米の藁で作られていて、使用する「荒縄」は総延長5000~6000mにもなるそうです。「荒縄」の締め方には「雄蝶」「雌蝶」「えび」「鶴」「亀」などの技法があり、模様の数も「7」「5」「3」など、縁起の良い奇数になっています。

真木を取り付ける「胴倒し」と「鉾起こし」

真木を取り付ける「胴倒し」と「鉾建て」

鉾に「真木(しんぎ)」を取り付けるために、一旦鉾を横に倒します。

鉾建ての場所には、この「胴倒し」と「真木」を取り付けた後に起こす「鉾起こし」の為の穴が道路にあります。この穴は、40〜50cmの深さがあって、穴に立てた杭に取り付けた丸太を軸にして少しずつ倒します。

願いごとをしながら「白幣」を榊に結ぶ

しでをつける

見学していると急に榊の方に人が集まり出しました。何だろ??と見ていたら「白幣(しで)」が配られていました。

菊水鉾では、真木にとりつける榊に「白幣」を結ぶことができるんです!

「白幣」の配りはじめは混雑しますが、5000枚あるそうなので慌てなくても大丈夫です。

全部つけないと鉾は立たないそうで、余ってるときは2回目でももらえますよ ^ ^

いつも空高くにある鉾頭を近くで見れます

真木の取り付け中は、いつも下から見上げていたてっぺんの鉾頭や気づかなかった装飾を近くで見ることができます。以下の写真は菊水鉾です。

富士山鉾頭
鷹赤熊(しゃぐま)
茄子

「山建て」「鉾建て」は、時間をずらして始まるので、見逃してしまっても、倒している鉾があるかもしれません♪

真木取り付けは「鉾建て」2日目です!気になった方は、ぜひ見に行ってみてください ^ ^

鉾に鉾車を取り付ける

石持

写真は「石持」という柱です。大きいですね!「鉾建て」の「縄がらみ」が終わるとこの大きな柱を2本取り付け、下の凹んでいる箇所に「鉾車(車輪)」の軸をはめます。

鉾に鉾車を取り付ける

この「鉾車」は1つ約500kg、直径は約2mもあります。ジャッキやテコの原理で軸の高さを調整し、7〜8人がかりで取り付けます。「鉾車」の取り付け中は倒れると危ないので、現場の指示に従いましょう。

「鉾建て」の進め方は、鉾によっていろいろです。「鉾車」を取り付けてから懸装品を取り付ける鉾や、同時進行で進める鉾もありました。鉾町によって段取りが違うので面白いですよ。

「曳き初め」に参加して1年間の厄除け

「曳き初め」で1年間の厄除けに

「鉾建て」の後には「曳き初め(ひきぞめ)」があります。

「曳き初め」では、組み立てた「鉾」の試し曳きが本番さながらに行われるので、長刀鉾にはお稚児さんも搭乗します!

そして嬉しいことに、この「曳き初め」は、誰でも参加することができます!凄くないですか!

うきうきします♪

「曳き初め」で1年間の厄除けに

写真は「長刀鉾」の後ろをついて行っているところです。(2019年の様子。)

曳き初めは往復するので、1回目がダメだった場合は鉾の後ろをついて行きましょう。鉾の近くにいると帰りは曳けると思います。3回曳くところもありますよ ^ ^

人が多いので、綱を持てた場合はコケたり押し倒されないように気をつけましょう。

曳き初め・舁き初め(ひきぞめ・かきぞめ)

「曳き初め」に対して、綱で曳かない「山」は「舁き初め」といいます。「曳き初め」で綱を引くと1年間の厄除けになるといわれています。

鉾を曳く綱も神様なので、またいではいけません。綱の下を潜りましょう。

「鉾建て・山建て」「曳き染め・舁き初め」の日程

「鉾建て・山建て」から「曳き初め・舁き初め」までは、最長3日かけて行います。以下の時間は予定です。

前祭(さきまつり)

10日

鉾建て
07:00~/長刀鉾・函谷鉾
08:00~/鶏鉾・月鉾
15:30~/菊水鉾

11日

鉾建て・山建て
06:30~/放下鉾
08:00~/船鉾・岩戸山

12日

山建て
08:00~/伯牙山
09:00~/保昌山・山伏山
曳き初め
14:00~/函谷鉾
14:30~/鶏鉾
15:00~/菊水鉾・月鉾・放下鉾
15:30~/長刀鉾

13日

鉾建て・山建て
07:00~/郭巨山・白楽天山
08:00~/占出山・霰天神山・芦刈山・油天神山・木賊山・太子山・蟷螂山
10:00~/綾傘鉾
曳き初め
12:00~/蟷螂山
15:00~/船鉾・岩戸山・放下鉾

14日

鉾建て・山建て
07:00~/四条傘鉾
08:00~/孟宗山

後祭(あとまつり)

18日

鉾建て・山建て
07:00~/大船鉾
08:00~/鷹山

19日

山建て
06:00~/北観音山・南観音山
09:00~/鯉山

20日

山建て
08:00~/黒主山・役行者山・鈴鹿山
08:30~/浄妙山
曳き初め
15:00~/北観音山・南観音山・大船鉾・鷹山
舁き初め
16:00~/八幡山

21日

山建て
08:00~/橋弁慶山
舁き初め
11:00~/橋弁慶山

各山鉾の紹介については、写真入りで分かりやすいホームページがありましたので、以下をご覧ください。

祇園祭ホームページ

祇園祭に便利なアプリはこちら

タクシーが呼べるアプリ GO

祇園祭を散策すると、想像以上に歩きます。思ったよりも遠くへ来てしまった。。暑い。。疲れすぎた。。という時に便利なのがこちら。

「タクシーが呼べるアプリ GO《ゴー》」です。

Googleマップとも連動するので、現在地を説明することもなく簡単にタクシーを呼ぶことができます。新規登録時にはお得なクーポンもあります。

Googleマップでは、「現在地から行き先を検索」→「行く方法の選択でタクシーを選択」→「GO」アプリを選択します。

クーポンを使用するには、「GO」アプリの「GO Pay」にクレジットカードの登録が必要になりますので、前もって登録しておくことをおすすめします。

気になった方は、タクシーが呼べるアプリ GO《ゴー》
をご覧ください。

祇園祭の散策に準備しておきたいもの

祇園祭を散策して用意しといたら良いなと思ったものをメモしておきます。

日傘(日陰は少ないです。)

帽子(巡行当日は混雑するので日傘は危ないです。)

ストール(混雑時、日傘の代わりに頭から掛けている人がいてなるほどでした。)

扇子か携帯扇風機(そよ風は期待できません。うちわを配っている所もあります。)

冷却グッズ(とにかく歩くので、あると良いと思います。)

飲み物(すぐコンビニへ!というわけには行かないので必須です。)

おやつ(宵山や、巡行当日は身動きが取りづらいのであると良いと思います。)

オペラグラス(鉾は高さがあるので、屋根の裏の絵や装飾品を見るのに重宝します。)

モバイルバッテリー、充電ケーブル(写真を沢山撮る方はあると良いです。)

いかがでしたでしょうか。

「鉾建て・山建て」のときは、まだ人も少ないので近くで見れます。

組み立てや物作りが好きな方は、この鉾建ての見学はとても面白いと思います。いろんな古い木材や部品も見れますよ♪

この時期に京都観光する方は「鉾建て・山建て」の見学もいかがでしょうか ^ ^

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