三十三間堂では、毎年1月15日に一番近い日曜日に「楊枝のお加持」と「大的大会」が行われます。
さらに当日は、境内が無料解放され、本堂の拝観も無料です!
お堂はいつもと違ってカラフルな幕で囲われ、新成人の華やかな袴姿にたすき掛けの姿が格好よく、弓を射る姿も素敵です♪
人が多くてびっくりですが、屋台もあり、お祭りのようで楽しかったのでご紹介です ^ ^
「楊枝のお加持」とは?
「楊枝(ようじ)のお加持」は、平安時代にインドから伝わり今日まで続く、三十三間堂の最も重要な法要であり最大の縁日です。
お正月に汲んだ初水を、御本尊「千手観音」の前で7日間祈願し、この法水を聖木とされる「楊枝(柳の木)」の小枝で、高僧の方が参拝者の頭に振りかけて、功徳を与え諸病を祓います。
とくに、頭痛に悩まされていた「後白河上皇」の頭痛平癒にあやかり「頭痛封じ」のご利益があるといわれています。
普段ご本尊にお参りするのとは違って、いま生きている高僧の方の前で手を合わせるのは気持ちが全然違いました。法水を振りかけてもらったのもあるかもですが不思議と良い気持ちになりました ^ ^
楊枝(ようじ)
枝の片方を噛むなどして筆の様にした歯を磨く道具(房楊枝)です。中国では楊枝(よくりゅう)の枝を用いたことから「楊枝」と呼ばれるようになり、日本には僧侶が身につける「十八物」の一つとして仏教とともに伝わりました。日本では柳の木等を使用し、約9cm〜36cmのサイズのうち、長い枝を房楊枝、短い枝を爪楊枝と呼び、歯磨き用と区別していました。明治以後に普及した歯ブラシも最初は楊枝と呼ばれていたそうです。
「楊枝のお加持」はどこであるの?
写真の紫の幕が掛かっている辺りで「楊枝のお加持」が行われています。三十三間堂内の中央にある国宝「中尊」の前にある専用の場所に台座が設けられ、そこに法水を振りかけてくれる高僧の方が座っています。
法水は1人づつ振りかけていただくので、列に並んで順番を待ちます。自分の番がきたら頭を下げて手を合わせると、ほんの少し法水を振りかけてもらえます。
私はお昼頃に行きましたが、そんなに混んではいませんでした。同時に開催されている「大的大会」で一番人気の「新成人女子の部」の時間と被っていたからかもしれません ^ ^
お正月の風物詩「大的大会」
「大的大会(おおまとたいかい)」は、新成人の弓道有段者や称号者、最大2000人が参加し「通し矢」で腕を競います。
「通し矢」は弓道の種目のひとつで、2本だけ矢を放ち、2分の間に60m先にある1mの的に両方とも当てた人だけが決勝に進めます。称号者の方は的のサイズが小さくなります。
昔は一昼夜に射通した矢の数を競う「大矢数」が有名でしたが、明治以降ほぼ行われなくなり、1951年(昭和26年)から現在の「通し矢」スタイルになりました。
大矢数(おおやかず)
本堂西側の軒下120mの距離を南端から北端に一昼夜、矢を射通した数を競いました。各藩の射手が挑戦し記録更新が相次いだそうです。江戸時代前期には「東大寺大仏殿」の廊下でも行われた他、江戸に「大矢数」用の江戸三十三間堂が建てられるほど盛んに行われていました。
「大的大会」はどこであるの?
「大的大会」は、三十三間堂の西側の庭であります。南北に120m以上ある広い庭ですが、当日は矢が飛んでいく方向は危ないので立ち入り禁止になり、観覧スペースは思ったよりも狭くなります。
会場の横には観覧席があるので横から弓技を見る事ができますが、席は少いです。
席の後ろに立っている人の列もちっとも流れていかないので、どこか良い場所はないかなと、うろちょろしていると、なんと観覧席は入れ替え制になっていて、運良く前で見ることができました♪
約20分くらいで完全入れ替えでしたので、席で見たい部に合わせて観覧席に座れるように並ぶと良いと思います。
大的大会の開催時間
「大的大会」は朝早く開門前から始まります。参考に過去の開催時間を載せておきます。
・8:00〜矢渡
・8:30〜新成人男子の部
・10:45〜新成人女子の部
・13:50〜称号者の部
・15:00〜決勝
大的大会には京都府民ではなくても参加できるんです!
てっきり京都府民のみ参加できるものだと思っていましたが、なんと日本全国から参加を受け付けていました!
弓道初段以上を所有していて成人を迎える方、ぜひいかがでしょうか ^ ^
参考に過去の申込について載せておきます。
・成人の部(新成人、弓道初段以上を所有している方)
・称号者の部(錬士・教士・範士)
<募集期間>
9月の中旬〜11月上旬(定員になり次第受付終了の為お早めに)
<申込方法>
各支部で取りまとめるか、京都府弓道連盟に申込書を請求し、申込書を送付。
<参加費>
5,000円
※全日本弓道連盟に登録をしていない方は、所属の都道府県の弓道連盟に登録が必要です。
三十三間堂について
写真は当日の様子です。普段は幕がありませんがこの日はカラフルな幕が掛かっていました。
「三十三間堂」は、正式名を「蓮華王院」といい、奥行き22メートル、南北120メートルもある日本一長い木造建築です。お堂内陣の柱間が33あるので「三十三間堂」と呼ばれ、堂内には1001体の観音様が祀られています。
平安時代後期「後白河上皇」が祈りを捧げるために職住兼備にしていた院御所「法住寺殿(ほうじゅうじどの)」の中に、平清盛によって創建されました。
現在の三十三間堂は建長元年(1249年)の火災後に再建されたもので、堂内を彩っていた花や雲文様の極彩色は、今もわずかにその名残を見ることができます。
院御所(いんのごしょ)
上皇の住まい。
無病息災「大根炊き」
「三十三間堂」の東側の境内には屋台が沢山でているので、匂いにつられて何か食べたくなりますが、せっかくなので、この日しか食べれない一品をご紹介です!
「三十三間堂」を出て東側の通りにある「法住寺」では、無病息災の「大根炊き」をいただけます。
私は「大根炊き」の事を知らず、屋台でペロリとお昼を済ませた後だったので、ケチってしまいましたが、美味しそうな「大根炊き」でしたのでぜひいかがでしょうか ^ ^
「大根炊き」には護摩木(ごまぎ)がついているので、願い事、名前、数え年を書いて奉納します。
三十三間堂へのアクセス
京都駅から三十三間堂へは、歩いてもいける距離にあります。バスは混むと思いますので、歩くのが好きな方はぜひ、歩いて行ってみてください。
徒歩で行く場合
京都駅から「三十三間堂」までは、徒歩で約20分です。
「烏丸通」を北上し「東本願寺」のある交差点で東に曲がり「七条通」を直進します。だんだん上り坂になっていきますが「七条通」には、有名な高瀬川や飲食店、カフェ、パン屋さん、和菓子屋さん等もありますよ ^ ^
バスで行く場合
京都駅からバスで行く場合は、駅前のバスロータリーからバスが出ています。のりばとバスの番号を以下にのせています。ボタンをクリックすると時刻表に飛びます。
急行Exp100 | 清水寺・銀閣寺行き
急行Exp110 | 祇園・平安神宮行き
【D2のりば】
86 | 臨(楽洛東山ライン)清水寺・祇園・三条京阪行き
88 | 東福寺行き行き
206 | 三十三間堂・清水寺・祇園・北大路バスターミナル行き
208 | 博物館 三十三間堂 泉涌寺・東福寺行き
市バスや、バスのりばの案内を時刻表と一緒に分かりやすくまとめましたので、バスに乗る方は以下のページもご覧ください。
〒605-0941
京都市東山区三十三間堂廻り町657
TEL:075-561-0467
開門時間:午前8時~午後17時(11月16日~3月は午前9時~午後16時)
料金:一般600円・高校中学400円・子供300円
トイレ:有
※車イス参拝可。専用トイレ、境内遊歩道あり。
蓮華王院 三十三間堂
いかがでしたでしょうか?
「楊枝のお加持」に「大的大会」に屋台にと盛りだくさんの縁日です。
この日だけで約20000人が訪れるそうなので(凄いですね!)、いつもよりも混んでいますが、1月京都への観光を予定している方は、ぜひいかがでしょうか ^ ^
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