8月16日は「大文字」で有名な「五山送り火」の日です。
京都に住むまでは、大文字の「大」しか知りませんでしたが「五山」とあるように、他にも「妙・法」「船形」「左大文字」「鳥居形」などがありました ^ ^
そして、この五山の送り火は、鑑賞するだけでなく「護摩木」に願いを書いて奉納すると、送り火で一緒に燃やしてもらえるんです!自分が書いた「護摩木」が炎の一部になっていると思いながら観るのもまた良いですね♪
それでは、観光の最後にそのまま寄って鑑賞できる場所を調べてみましたのでご紹介です ^ ^
はじめに五山の送り火について
京都の夏の風物詩といわれる「五山送り火」は、「葵祭」「祇園祭」「時代祭」とともに京都4大行事のひとつです。
この「送り火」は、お盆の初日にあの世から還ってくる祖先の霊たちを家に出迎える「迎え火」に対し、お盆の最終日に大きな火の光であの世への道中を照らし、祖先の霊たちを無事に送り届ける京都の一大法要です。
20時になると「大文字」から順番に「妙・法」「船形」「左大文字」「鳥居形」の五つの山に火が灯されますが、明治初期辺りまではこの他に「い」「一」「竹の先に鈴」「蛇」「長刀」の「送り火」もありました。
伝統的なこの「送り火」ですが、起源ついては不思議なことにはっきりしないそうです。
現在の「五山送り火」は各保存会によって守りつがれ、1983年(昭和58年)に京都市登録無形民俗文化財に指定されています。
「送り火」起源の説
伝統的な行事ですがその起源は、平安時代初期や室町時代中期などはっきりしていませが、記録によると約400年前の江戸時代初期には行われていたそうです。
妙・法
「妙」「法」のみ二つの山で1つと数えられています。もとは1307年に「妙」が登場し、それから約350年後に「法」が出来たといわれています。
送り火の点火時間と山について
「送り火」は、各地域の精霊送りなので点火時間はまちまちでしたが、現在は東山の「大文字」から順番に点火されるようになりました。約20〜30分で消えていきます。
20時00分 <大文字>
大文字の最大幅は約160m
「大文字」は、東山の如意ヶ嶽(にょいがたけ)にあります。標高472mで、初心者でも約1時間あればのぼれる山です。
京都市左京区と滋賀県大津市との境になっていて、1509年(室町時代)には、京と近江との近道に使われて如意ヶ嶽の戦いなどがあり、山頂には如意ヶ嶽城跡も残っています。
20時05分 <妙・法>
「妙」の最大幅は約100m、「法」は約70m
「妙・法」は二文字ありますが、ふたつ合わせて一山一字とされています。
「妙」は松ヶ崎西山(万灯籠山)標高135m、「法」は松ヶ崎東山(大黒天山)標高186mで、二山合わせて妙法山とも呼ばれています。
20時10分 <船形>
船形の最大幅は約200m
「船形」は、船山(万灯籠山・西賀茂山)にあり、標高は317mです。
船は精霊を乗せて冥土へ送る精霊船で、船首は西方浄土を向いているといわれています。
20時15分 <左大文字>
左大文字の最大幅は約68m
「左大文字」は、大文字山(大北山)にあり、区別するため左大文字山とも呼ばれています。
大文字山の山肌は岩石が多く固定した火床を掘り難いことから、昔は杭を立てた上にかがり火のかたちで行っていたので、毎年「大」の形が変わっていたそうです。現在はコンクリートの火床が使用されています。
20時20分 <鳥居形>
鳥居形の最大幅は約76m
「鳥居形」は、曼荼羅山(まんだらやま)にあります。
愛宕神社の参道にある鳥居が由来といわれ、他の山と違い、薪を井桁に組まない独特の方法で点火されます。広沢の池や、嵐山の桂川では灯篭流しが行われ、送り火と灯篭の灯が幻想的です。
護摩木に願いを書いて奉納する
「送り火」では、各保存会の受付場所で「護摩木」に「祖先の供養」や「無病息災」など願い事を書いて奉納することができます。
各保存会での奉納受付は以下のとおりです。台風などの影響によって、受付を中止する場合もありますので、行く予定の方は事前に調べると安心です。
※2019年は台風の影響で「大文字」は両日中止、「船形」は15日のみ中止になりました。
大文字
場所:銀閣寺
日時:8月15日 正午~19時頃・16日 6時~14時頃
NPO法人 大文字保存会
妙・法
「妙・法」では、護摩木を受付ていません。
船形
場所:西方寺
日時:8月3日〜15日(6日は除く) 8時~16時頃・16日 8時~10時頃
船形万燈籠保存会
〒603-8846
京都府京都市北区西賀茂鎮守菴町50
TEL:075-492-5889
左大文字
場所:金閣寺
日時:8月15日 9時~15時頃・16日 7時~14時頃
左大文字保存会
鳥居形
場所:あだし野念仏寺
日時:8月13日〜15日 10時~16時頃・16日 9時~15時頃
鳥居形松明保存会
五山すべての「送り火」を観たい
夜空に五山の文字が順番に灯されるの観たい!と思いますが、それを実現するには前もって予約が必要です。
以下のプラン以外にも、いろいろなホテルや屋上ビアガーデンで「五山送り火鑑賞プラン」などがありますよ ^ ^
京都駅ビル
京都駅ビルからは、ガラス張りの「空中径路」や「大空広場」(鑑賞場所は選べません)で鑑賞することができます。当日は安全優先のため「五山送り火鑑賞会」の当選者のみ入ることができます。
もちろん無料です ^ ^
応募は、Webサイトと郵便はがきで受け付けています。
2019年の募集期間は、7月7日〜7月17日の10日間でした。結構短いので応募したい方は7月に入ったら忘れないように注意しましょう ^ ^
※2023年現在は「五山送り火鑑賞会」の開催をしていないようです。
京都タワー
京都タワーでは、地上100mの京都タワー展望室から五山送り火を鑑賞できる「京都タワー 五山送り火鑑賞イベント」や、鑑賞イベントチケット付き宿泊プランなどがあります。当日はチケット持参の方のみ入ることができます。
※以下は参考に乗せています。(2023年は受付終了)
京都タワー 展望室 五山送り火鑑賞
地上100mの京都タワー展望室から五山送り火を鑑賞できる 「京都タワー展望室 五山送り火鑑賞 2023」イベント。 チケットは抽選販売制になります。
京都タワー 五山送り火を鑑賞イベントチケット付き宿泊プラン
<京都タワー展望室 五山送り火鑑賞>
- 京都タワー展望室4階・5階 ※立ち見での鑑賞です。
できるだけたくさんの「送り火」を観たい
五山すべてではなくても、順番に灯される様子は観たいな〜♪という方には、こちらはいかがでしょうか ^ ^
清水寺で観る
清水寺では、毎年8月9日〜16日は「千日詣り」です。
「千日詣り」は、一日のお参りで千日詣ったのと同じ利益があるといわれるすごい期間なのです!
そしてなんと8月14日・15日・16日の3日間は「夏の夜間特別拝観」中なので、清水寺から「送り火」を鑑賞することができるんです♪
清水寺は山の上にあるので、「船形」「左大文字」「鳥居」が順番に点火する様子を見ることができます。
夜は「千日参り」と「夜間ライトアップ」と「送り火鑑賞」が重なって混雑しますが、紅葉の時期の「夜間ライトアップ」ほどではないそうです。。
千日詣り
「千日詣り」は、観音信仰の広まりとともに誕生した風習で、平安時代には「紫式部」や「清少納言」も千日詣りへお参りしていたそうです。
「千日詣り」が始まる前は、1000日間「毎日祈願」することが常識とされていたそうですが、身体が弱かったりで行きたくても行けない方もいるため、神仏の縁日などの特別な日にお参りをすると、1000日お参りしたことと同じ功徳やご利益を授かることができるといった行法が生まれたといわれています。
そして、お盆の14日・15日・16日は、ご本尊の千手観音菩薩との縁がもっともある最大の功徳日として、一日のお参りで4万6000日(約130年間)毎日お参りしたご利益があるそうですよ!一生分以上です。びっくりしました!
明治時代の神仏分離令などで、行われない時期がありましたが、1993年(平成5年)に復活しました。
夕涼みと灯りの路
清水寺の近くの「一念坂」「二年坂(二寧坂)」では、8月14日・15日・16日の3日間
坂道に、約120基の行灯が灯されます。
石畳を柔らかく照らす行灯の明かりの中を清水寺まで行くのも良いですね ^ ^
行灯開催時間:18時~20時
〒605-0862
京都市東山区清水1丁目294
TEL:075-551-1234
開門時間:午前6時~午後18時(通常)
夜間拝観受付:午後18時30分〜21時
夜間拝観料:400円
トイレ:有
清水寺(拝観時間は交通カテゴリーにあります)
清水寺門前会ホームページ(清水寺やお店の紹介も載ってます)
嵐山・二条城の帰りにJR二条駅から見る
なんとJR二条駅のホームからも「送り火」を見ることができます。JR二条駅のホームは2階にあるので、見晴らしが良いのです ^ ^
ホームから北の山を見ると「左大文字」「船形」が見えます。
ホームの中央付近から東の山を見ると。東山「大文字」が見えます。
早めに二条駅周辺で夜ご飯を食べた後に、ホームで「送り火」を観てそのまま京都駅に帰るプランもありかと思います。歩き疲れている方には、二条駅の横にある「BiVi二条」の1階が食事エリアになっているのでいかがでしょうか ^ ^
JR二条駅から京都駅までは約7分で行けますし、四条烏丸の辺りへ行く場合は地下鉄に乗ると、約14分で到着できるので、なかなかに便利な駅です。
「送り火」を見るときは、ホームから落ちないように気をつけてくださいね ^ ^
金閣寺・北野天満宮の帰りにイオンモール京都五条で見る
金閣寺・北野天満宮以外でも、西大路通りをバスで通るプランの方は、イオンモール京都五条で観るのはいかがでしょうか。観にくる人は増えてきているそうですが、まだ穴場といわれています。
「五山送り火」のときには5階と6階の屋上駐車場が鑑賞できるように解放されます。さすがですね♪
屋上からは、東山の「大文字」「船形」「左大文字」「鳥居形」を見ることができます。「船形」は「左大文字」にかぶってあんまり見えません。
イオンモールは飲食店も多いので、早めに夜ご飯を食べて涼めるのも良いところかと思います。
イオンモール京都五条へのアクセス
行き
・金閣寺方面から市バス「205系統」に乗車→「西大路五条」で下車。
・北野天満宮方面から市バス「203系統」に乗車→「西大路四条」で「205系統」に乗り換えし、「西大路五条」で下車。
「西大路五条」からイオンモール京都五条までは、徒歩約4分で行けます。が、バスもあったのでご紹介です!グーグルマップでは、このバスが表示されないのです > <
すぐ近くにある「西大路五条」の交差点にある「マクドナルド」を少し西に進むとすぐにバス停「西大路五条」があります。
乗れるバスは「73系統」「32系統」「80系統」で1つめのバス停「中ノ島五条」で下車します。どれも1時間に1〜2本程度なので、時間を調べておくと良いです。
帰り
イオンモール京都五条から京都駅直通のバスは「73系統」のみです。
本数が少ないので、乗れなかった場合は「西大路通」まで出て「西大路五条」のバス停から京都駅行き「205系統」に乗車します。
「西大路通」までのバスは、イオンモール京都五条前の「中ノ島五条」から「32系統」「80系統」に乗車し、「西大路五条」で下車します。
イオンモール京都五条から「西大路五条」で下車した後、すぐ近くにある交差点を南側「餃子の王将」の方に下がるとすぐ京都駅行きの「西大路五条」のバス停があります。
「送り火」を観光帰りに観る
一日中歩き回った後だと、もう疲れているので、観光帰りに立ち寄れる場所で「送り火」を観て帰るのはいかがでしょうか ^ ^
銀閣寺周辺で観る
有名な東山の「大文字」は、なんと銀閣寺の横にあるんです!
なので、銀閣寺もよりのバス停「銀閣寺道」や、その近くの「今出川通」と「白川通」の交差点からもよく見えます。
あまり近づきすぎると木に隠れて見ることができません。これは予想外でした。。
今出川通で観る
銀閣寺は今出川通の突き当たりにあります。そして京都のまっすぐな道のおかげで、河原町今出川の辺りからも「大文字」を見ることができます♪
京都御苑で観る
8月16日は夜間解放されるので、御苑の中で見ることができます。
見やすい場所は「御所」の前の「蛤御門」の通りと、「御所」の斜め向かい側(東南)にある「大宮御所」の北側の通りです。
御苑は、東西約700m・南北約1300mと、とても広〜い!ので、どこから入るかで歩く距離が全然ちがいます。夕方はもう歩き疲れていると思うのでおすすめの入口をご紹介します ^ ^
バスの場合
バス路線が充実している京都ですが、なぜか烏丸通はバスが少ないので、河原町通を通るバスが良いと思います。
「大文字」を観る場所に近い「河原町側」の「御苑」の入口は「清和院御門」です。
そして最寄りのバス停は「府立医大病院前」です。
この辺りの河原町通は、タイ政府認定のタイ料理や、ラーメン、ステーキなどおいしそうな飲食店も多いので、早めに来て夜ご飯を食べるのもおすすめです ^ ^
(御苑周辺の烏丸通・丸太町通には、あまり飲食店がない印象です。)
地下鉄の場合
「御苑」の最寄り駅は「丸太町駅」「今出川駅」です。
そして「大文字」鑑賞ポイントの「御所」前の通りは「御苑」の北側にあるので「今出川駅」で下車するのがおすすめです。
「今出川駅」から一番近い入口は「烏丸通」の「乾御門(いぬいごもん)」、「今出川通」からは「今出川御門」です。
どちらから入っても、すぐに「御所」の塀が見えるので、塀にそって下ります。
塀が途切れたところが「蛤御門」がある「大文字」鑑賞ポイントです。
広いので良いところを探しましょう ^ ^
京都の名水が湧く梨木神社
「清和院御門」の近くには「梨木(なしのき)神社」があります。
「梨木神社」には、京都三名水と呼ばれる「染井の水」という湧き水があります。この湧き水は名水と言われていて、地元の方もよく汲みに来ています。汲んで帰って家でお茶や珈琲を淹れるのも美味しいでしょうね ^ ^
上賀茂神社の帰りに北山通で観る
北山通りでは「妙法」を見ることができますが、「松ヶ崎駅」の近くで見やすいのが「妙」です。
「妙」の目の前には「宝ヶ池公園運動施設球技場」があり、その前に「宝池自動車教習所」があります。「宝ヶ池公園運動施設球技場」で観ると近くて迫力ありそうですが、木や道路で何も見えませんでした。
よく見える場所は「宝池自動車教習所」の前の道です。
場所によっては「船形」も遠くに見えますよ ^ ^
「上賀茂神社」からは、市バス「4系統」の京都駅行に乗車し「松ヶ崎駅前」で下車します。
帰りは「松ヶ崎」から京都駅まで、地下鉄で約18分で行くことができます。
上賀茂神社の帰りに上賀茂橋周辺で観る
「上賀茂橋」からは「大文字」と大きな「船形」を観ることができます。
「大文字」は遠いですが景色はほぼ山と川で、視界を遮るものがないのでおすすめです。
「上賀茂橋」へは、上賀茂神社から徒歩約10分で行けますし、市バス「4系統」でも行けます。
飲食店はほぼありませんので、あらかじめ何か持って行くか、「北大路駅」にある北大路ビブレで早めに夜ご飯を食べて戻るのも良いかもです。思ったより疲れた方は、北大路ビブレの外階段からもチラッとみえます。(階段なので人が多い場合は辞めときましょう!)
北大路ビブレから「上賀茂橋」へ戻るには、ビブレ地下の「北大路バスターミナル」バス停から「北3系統」に乗ります。徒歩でも約13分で行けます。
金閣寺周辺で観る
「金閣寺」前の交差点からは「左大文字」が目の前にあるのでよく見えます!駐車場もあるので、そこで観ることもできますよ ^ ^
木が多いので、歩道からは見えにくいかもしれませんが、横断歩道を渡る時にチラッと見えます。
嵐山の法輪寺で観る
嵐山では「鳥居形」と「大文字」を観ることができます。そして渡月橋近くの「中ノ島公園」では、「嵐山灯籠流し」も19時から行われます。
渡月橋からは遠いですが「大文字」がよく見えます。そして「中ノ島公園」からは「灯篭流し」越しに「鳥居形」が見えます ^ ^
そして、おすすめなのが、渡月橋の近くにある「法輪寺」の展望スペースからの鑑賞です。
「鳥居形」がとても近く、「大文字」も観ることができます。
場所によっては渡月橋も見えますし、京都市内の夜景を一望することができます ^ ^
歩き疲れた時にタクシーをすぐ呼べるアプリはこちら
タクシーが呼べるアプリ GO
京都を散策すると、想像以上に歩きます。思ったよりも遠くへ来てしまった。。暑い。。疲れすぎた。。という時に便利なのがこちら。
「タクシーが呼べるアプリ GO《ゴー》」です。
Googleマップとも連動するので、現在地を説明することもなく簡単にタクシーを呼ぶことができます。新規登録時にはお得なクーポンもあります。
Googleマップでは、「現在地から行き先を検索」→「行く方法の選択でタクシーを選択」→「GO」アプリを選択します。
気になった方は、タクシーが呼べるアプリ GO《ゴー》
をご覧ください。
今年の京都は特に暑いので、しんどいのに、近くに涼めるコンビニや場所が見つからない場合は、無理せず涼しいタクシーに乗ってカフェなど休憩できる場所に移動するのも良いと思います。休憩を取りながら無理せず楽しみましょう ^ ^
いかがでしたでしょうか。
送り火が順番に点火されるのを観たいですが、どれか一つに決めて、近くで迫力ある「送り火」を鑑賞するのも良いですよね ^ ^
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