瑠璃光院(るりこういん)は、春の青もみじ、秋の赤もみじともリフレクションが綺麗なことで有名ですが、それだけでなく澄んだ池の鯉や、ふかふかの苔庭など見所が沢山ある寺院です。
初めて行った秋の時別公開は、まさかの3時間待ちだったので周辺を散策コースに変更しましたが、今回の再チャレンジでやっと入ることができたのでご紹介します♪
瑠璃光院について
「瑠璃光院」は、建物や庭園の佇まいから歴史ある寺院だと思っていたら、なんと2005年に誕生した岐阜県にある「
京都の数奇屋造り建築と借景の名庭
建物自体は、明治時代の実業家・政治家の「田中源太郎」がこの地に庵を構えたのが始まりで、その後、大正末期から昭和にかけて個人の別荘として現在の数寄屋造りに改築、作庭されました。
棟梁は「中村外二」、庭師は「佐野藤右衛門」の作といわれています。
田中源太郎
明治期の実業家で政治家。京都電灯や京都鉄道など多くの会社を設立し、八瀬から比叡山へと登る叡山ケーブルも京都電灯がひきました。
中村外二(なかむらそとじ)
大工の神様といわれた京都の数寄屋大工の棟梁で、「伊勢神宮内茶室」「ロックフェラー」や「ジョンレノン」の邸宅も手がけています。
現在は、その技術を受け継ぐ「枡田志郎」が「中村外二工務店」の棟梁として「京都迎賓館主賓室座敷」など日本を代表する建築を手がけています。
NHKプロフェッショナルで紹介されていました。
佐野藤右衛門(さのとうえもん)
佐野藤右衛門は、天保3年(1832年)より庭師として仁和寺につかえてきた名家で、瑠璃光院の作庭は、14代藤右衛門の作といわれています。全国の桜を守る「桜守」も始め、現在の16代藤右衛門にも引継がれ、桂離宮・修学院離宮の庭も手がけています。
別荘から料亭そして瑠璃光院へ
その後、1日4組限定という高級料亭「喜鶴亭」になりました。
そして、この高級料亭が廃業になることを知った「光明寺」が購入し2005年に「瑠璃光院」として生まれ変わりました。
瑠璃光院の由来について
庭内に自生している苔の一種が、陽の光によって瑠璃色に輝いたことから「瑠璃光院」と名付けられたそうです。また、仏教語で「瑠璃」は「浄土の世界」を意味しているそうです。
おもてなしの心
「瑠璃光院」は、もともと個人の別荘から料亭へと歩んだ歴史があるからが、普通のお寺とは雰囲気がまるで違います。
来る者をおもてなしする心がたくさん感じられます。参道の階段を登る途中も苔や木の緑が程よい距離感で落ち着きます。参道と院を結ぶ石橋の下には、小さな滝から水が流れ、澄んだ池の中に錦鯉が泳いでいます。そして青もみじの葉の間から所々に太陽の陽が差し込んでこれまた綺麗です。
そして、いよいよ玄関に入ると係の方が靴を入れる袋を渡してくれます。すごく優しい対応でお出迎えしてくれて旅館のようでした ^ ^
青もみじのリフレクション
あの有名なリフレクションルームは2階の書院にあります。順路にそって階段を登って行くと正面の窓が開け放たれて向かいの山と空が一望できます。
気持ち良い景色ですね〜。
左に振り返ると、見たかった青もみじの景色が窓枠いっぱいに広がっていました♪
もみじのリフレクションは、黒塗りの床一面に映っているのだと思っていましたが、実は大きな写経机に反射した景色を撮影しているのでした。皆さん上手に撮りますね〜。
写経机を囲んで順番に撮影します。おすすめの撮影スポットは座卓の中央の角だそうですよ。私もそこから撮りました ^ ^
心しずかに写経を
拝観券を購入すると写経セットがついてきます。写経は一度してみたかったのでワクワクです♪
無心で写経と思っていましたが、変に力が入って手首が痛くなったので無にはなれませんでした 笑
書いた写経は願い事を書いて一階の本堂に納めます。
ここで写経できると気持ち良さそうですね〜。この部屋は中級者・上級者向けで、もみじの部屋を抜けて下に降りる階段の横にあります。
「瑠璃の庭」と「臥龍の庭」
「瑠璃の庭」は、正面にある岩肌を流れる水や、もこもこのふんわりした苔の間を緩やかに流れる細い小川が流れていて瑞々しい庭でした。この庭の様にふんわりした苔を見たことがなかったので、これがまた良かったです。お抹茶を注文すると最前列に座って見ることができます。
「臥龍(がりゅう)の庭」は、小さな庭ですが、池に錦鯉がゆらっと泳ぐ様子が、緑の景色にナイスな差し色になって、これまた良いなぁ〜。と思って見てました♪
どちらの庭も空が見えないくらいもみじが近くて、しっとりと良かったです。
八瀬のかまぶろ
八瀬には「八瀬のかまぶろ」の伝説があり、こちらの釜風呂は、料亭の時には実際に使用されていたそうです。
「八瀬のかまぶろ」は、かまくらの様なドーム形をした日本式蒸し風呂の原型で、サウナ好きな方はぜひ行ってみたいお風呂だそうです。
ということで、この「八瀬のかまぶろ」に入れる場所が近くにあったのでご紹介です。
気になった方はどうぞ ^ ^
八瀬のかまぶろ
飛鳥時代、壬申の乱(672年)の際に「大海人皇子(おおあまのおうじ・後の桓武天皇)」が背中に受けた矢傷を「八瀬の釜風呂」で癒したという「矢背」の伝説にちなんだ釜風呂で、1300年の歴史があるそうです。
自分で完成させる御朱印
「瑠璃光院」の御朱印は、見本を見て自分で完成させるようになっています。変わってますね〜♪
雑貨屋みたいなかわいいお土産
お土産コーナーには、ぽち袋や懐紙、一筆箋などの和紙製品。そしてかわいい御朱印帳もありましたよ♪
こちらは「和紙倶楽部」という京都のお店の商品です。色合いや模様が可愛くて好きなお店なのですが、こんなところで販売しているとは!なんとセンスの良いお寺でしょう♪
「和紙倶楽部」は、京都市内にも店舗がありますので、気になった方は以下のホームページをご覧ください。
和紙倶楽部
ルイ・イカール美術館
拝観券で「瑠璃光院」に行く途中にある「ルイ・イカール美術館」にも入場できます。ルイ・イカールは、アール・デコの時代に活躍したフランスの画家です。
小さな美術館なのですぐに見て回れます。休憩スペースでひと休みすることもできます。
休日は必ず見ごろの時期に!平日はお昼前がおすすめです。
休日に行く場合は、長時間並んだり、人が多すぎたりと大変ですが、見ごろを逃してしまっていると、更にがっかり。。という悲しいことになります。
今回は平日の10時30分頃に到着しました。少しだけ行列ができていて、門の前で記念写真を撮ってくれるサービスをしてました。これから増えるのかな?早く来て良かったと思っていましたが、見終わった12時頃には並んでませんでした。あら?
「瑠璃光院」の下の川には吊り橋もありました。先は行き止まりでしたが、吊り橋って渡りたくなりますね〜♪
帰りに寄ってみるのはいかがでしょうか ^ ^
瑠璃光院へのアクセス
京都駅から瑠璃光院へは、電車・バスで行けます。
電車での行き方
京都駅から電車での行き方を検索すると、JR奈良線「東福寺駅」まで一旦下って、京阪に乗り換えるルートが出て来ると思います。東福寺へも行く方はこのルートが最適ですが、そうではない方へのおすすめルートはこちら!
京阪「七条駅」からの乗車
徒歩の場合
「京都駅」から「七条駅」までは、地図で見ると離れているように見えますが、実際は徒歩15分ほどで行くことができます。七条通りまで出ると、あとはひたすら東に進むだけなので、迷うこともありません。
バスの場合
2019年4月から「京阪ループバス」が始まりました。こちらは、「京都駅」と「七条駅」直結のバスです。片道約5分、15分間隔で運行しています。
運賃は230円、又は100円(京阪電車、ザ・サウザンドキョウト、京都センチュリーホテルのいずれかを利用すると100円で利用できます。※乗継割引券が必要。)
詳しくは、京阪七条-京都 ステーションループバスをご覧ください。
バスでの行き方
京都駅からは「京都市バス」ではなく、大原行きの「京都バス」で行くことができます。
紛らわしいですが「京都市バス」は薄いグリーンの車両、「京都バス」ば薄いベージュの車両で見分けることができます。
のり場は「C3」17系統の大原行きに乗ります。
のり場が分からない場合は、係の方に聞くことをおすすめします。その方が早くて確実です。休日は観光案内の方がいますし、平日は警備員の方がいるので教えてもらえますよ ^ ^
〒606-0067
京都府京都市左京区上高野東山55
TEL:075-781-4001(拝観の予約受付はありません。)
拝観時間:10時~午後17時(2019年春の特別公開は4月15日〜2019年6月30日まで。)
拝観料:2,000円
トイレ:有
瑠璃光院
いかがでしたでしょうか?
「瑠璃光院」へ行った後には、比叡山ケーブルで「ガーデンミューニアム」や「比叡山延暦寺」へ行けますし、徒歩約15分で「そうだ 京都、行こう」2012年のポスターにも使用された「蓮華寺」にも行けますよ。こちらのお寺も、もみじが綺麗です。そして、「三千院」行きのバス停も近くにあります。
「夜の特別拝観」も実施されているので、気になった方は、ぜひ行ってみてください ^ ^
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