京都駅から歩いて数分で行ける「東本願寺」。
私は近くに住んでいることもあって、たまにフラっと寄っています。街中なのに敷地が広いので気持ちよく、お堂でゆっくりできるところも好きなのです。
遠くの寺院に目が向きがちですが、京都駅近くにも見どころのあるお寺があるよ!ということでご紹介します。
駅近なので、出張帰りのビジネスマンや、すきま観光の方にもおすすめです。「東本願寺」ならではのお土産も買えますよ♪
「東本願寺」のはじまり
本願寺には、浄土真宗本願寺派「西本願寺」と、真宗大谷派「東本願寺」があります。歴史の中で別々の道を歩むことになった経緯をざっくり説明します。
もとはひとつの「本願寺」
親鸞聖人を宗祖とする「本願寺」は、第8代門主 蓮如(れんにょ)上人の尽力で一気に栄えました。
勢力を持った「本願寺」は「日蓮宗」や「比叡山延暦寺」と戦い、色々な場所に移転しています。戦国時代には織田信長の長期に渡る戦いで織田信長に屈する形で和解し、当時「本願寺」があった大坂(現:大阪市中央区)を退去することになりました。
この時の門主、11代顕如(けんにょ)上人に対立した長男の教如(きょうにょ)上人は、「本願寺」に籠城したため縁を切られました。(後に復縁します。)
その後、大阪天満に「本願寺」を再興したのち、天正19年(1591)豊臣秀吉に土地の寄進を受け、現在「西本願寺」がある土地に移転しました。
11代顕如(けんにょ)上人の没後、長男の教如(きょうにょ)上人が継ぎましたが、豊臣秀吉により隠退処分を受けて、3男の准如(じゅんにょ)上人が後を継ぐことになりました。
「東本願寺」の創建
その後も活動を続けていた教如(きょうにょ)上人は、関ヶ原の戦いの後、慶長7年(1602)に徳川家康より「本願寺」の東側に土地の寄進を受け、ここに新たな本願寺を創立しました。「東本願寺」のはじまりです。
一説によると、土地を寄進することで、豊臣秀吉と親交があった「本願寺」を分裂させ力を削いだともいわれています。
徳川幕府からの庇護を受け、第14代将軍家茂(いえもち)の後見職だった慶喜が、文久3(1863)年に「東本願寺」に滞在、幕末には敷地内に徳川家康を祭る神社「東照宮御霊殿」を建てるなど、徳川幕府との関係は続いていきました。
世界最大の木造建築「御影堂」と「 阿弥陀堂」
「御影堂」(上)と「阿弥陀堂」(下)。
写真では伝えきれないと思いますが、とにかく大きいです!大きすぎて、一瞬怖いほどです。
「東本願寺」は、火災の度に復興してきました。
現在の建物は、明治時代に再建されたものなので、世界遺産や国宝にはなっていませんが、文明開化後の西洋の建築技術が臨機応変に取り入れられた近代和風建築で、世界最大規模がゆえの技術的に困難なところもみごとに克服しているそうです。
普通にすご〜い!と思って見ていた大きな屋根も、軒先きを柱で支えることもなく、スッと綺麗な曲線を描いています。「西本願寺」では数十本の柱で屋根をささえているので、技術の進歩ですね!
他にも、立派な柱や大空間など、みどころいっぱいです!お堂内には椅子もあるので、膝が痛い方もゆっくりできます。さらに、夏はすずしいですよ♪
御影堂 阿弥陀堂(両方とも登録有形文化財)
「御影堂」には宗祖・親鸞聖人の御真影(ごしんねい)を、「阿弥陀堂」にはご本尊の阿弥陀如来が安置されています。
「東本願寺」は、創立以来4度の火災にあい、その度に復興してきました。現在の「御影堂」と「阿弥陀堂」は、幕末の「蛤御門の変」で類焼したのち明治28年(1895年)に再建されました。
日本最大級の高さを誇る「御影堂門」
人が小人のように見えるこの「御影堂門」は「京都三大門」のひとつにも数えられる立派な門です。
2008年から行われた耐震調査で、文化財に指定・登録されている木造山門の中で日本最大級の高さであることが確認されました。
欄間も単なる装飾ではなく、耐震構造になっていたそうです。
他にも、壁に彫刻があって見所満載の門です。
扉の裏にある閂(かんぬき)にはコマがついていました。そうとう重たいのでしょうね〜。
京都三大門
京都三大門は「南禅寺の三門」「知恩院の三門」そして3つ目は「東本願寺の御影堂門」「仁和寺の二王門」「東福寺の三門」等と言われています。
桃山時代のデザインが取り入れられた「勅使門」
「東本願寺」には、烏丸通沿いに4つ門があります。南側から「阿弥陀堂門」「御影堂門」「勅使門」「玄関門」です。
「勅使門」も登録有形文化財に指定されています。いつも閉じられているので「東本願寺」から出て、京都駅方面に戻る方は見落としがちになると思いますが、とても良い感じの門です。
この朽ちた感じが好きなんですが、透かし欄間や彫刻、柱ににあるカラフルな七宝焼きなどもあって、じっくり見るのにおすすの門です。
「東本願寺」の境内について
境内案内図はこちら
キャリーバック置き場あります!
キャリーバッグは、お堂の中には持って入れません。コインロッカーはありませんが、お堂の前に鍵付きの置場があります。
東本願寺のありがたいお土産
「東本願寺」には「お守り」や「御朱印」はありませんが、お土産コーナーがあります。
仏教の本や数珠やお香の他に、オリジナルグッズやお菓子等のお土産もあります。その中で私が良いなと思ったお土産をご紹介します♪
こちらは「東本願寺」の改修工事で出た古い桧材をチップに加工し、福井県の越前和紙の職人の手で越前和紙に漉き込まれた「散華」です。「親鸞聖人750回御遠忌記念」と書いてあるので、常時販売ではなさそうですが、お寺を支えてきた柱が使われているところがありがたいし、なかなかにおしゃれでシンプルなところが気に入ったので栞として購入しました♪
こちらは、いいなと思ったお土産を集めてみました。左から
・お東さんのれんこん餅(蓮根のデンプンを使用した、わらび餅のようなお菓子です。)
・黒ゴマ入り生八つ橋 甍の波
・お東さんの花林糖(塩・金ごま・抹茶・紫いも味などあります。)
・東本願寺の水(岐阜県の名水「高賀の森水」に教如上人ゆかりの水「おじゃれの水」を充填した水です。)
・お東さんのいちょう飴(いちょうの若葉に含まれるフラボノイドを希少糖配合の飴で包んだ、砂糖不使用、キシリトール配合のヘルシーな飴です。)
お堀でほっこり
「東本願寺」の周りにはお堀がありますが、一番北側まで歩く方は少ないのではないでしょうか。
「東本願寺」の北側は「蔵」になっていて、城下町のような雰囲気になっています。お堀の水も澄んでいて、鯉が泳いでいたり、鴨もお昼寝するほっこり静かな通りなのです。
「東本願寺」では猫にも会えますよ
お堀で鴨とほっこりしていたら、通りすがりの方に声をかけられました。ニコニコした感じの良い方です。話していると、これから「東本願寺」に住んでいる猫にご飯をあげに行くとのことで、連れて行ってくれました♪
だいたい15時と17時頃に一番北側の「玄関門」に出てくるそうです。(いない時もあります。)
写真の猫は「ライオンちゃん」です。もっとライオンぽいふさふさだったのに、春だからかカットされちゃったそうです。胸のくせ毛にライオンのなごりが ^ ^
目の色が薄いグリーンでカッコいい猫ちゃんでした♪
カフェでひと休み
「東本願寺」の北側には、道を挟んで向かい側に「しんらん交流館」があります。
こちらには、ホテルオークラのレストラン「オリゾンテ」が入っています。ホテルの味をいただきながらゆっくりひと休みできますよ。
同じく、「東本願寺」の北側の交差点で烏丸通りを渡った先にもカフェ「Toru Cafe’」があります。こちらは自家焙煎のハンドメイドコーヒーがいただけます。ご主人は、前田珈琲の出身だそうです。
京都駅から徒歩何分?
京都タワーは京都駅の前にあるので、この写真からも、駅から近いということが分かると思いますが、時間が足りない場合は、正確な時間が分からないと動きにくいですよね。
ということで、参考に私が普通に歩いてかかる時間を調べてみました。(平日17時頃 身長154cm 信号待ち・混雑込み)
JRで帰る方
・中央口(1階)から約9分
・西口(2階)から約11分
新幹線で帰る方
・中央口(2階)から約12分
近鉄で帰る方
・新幹線中央口向かいの改札から約12分
高速バスで帰る方
・高速バス乗り場から約8分
乗り場の位置については以下をご覧ください。
〒600-8505
京都市下京区烏丸通七条上る
TEL:075-371-9181
開門時間:【3月〜10月】午前5時50分~午後17時30分
【11月〜2月】午前6時20分~午後16時30分
トイレ:有
真宗大谷派 東本願寺
いかがでしたでしょうか?
今回「東本願寺」のことを調べて、こんなに凄いお寺だったのか!と今更びっくりしました 笑。
色々知って訪れるとまた見え方も違って面白いですね♪
ぜひ、ゆっくりしに行ってみてください ^ ^
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[…] 東本願寺御影堂。圖片來源:tricafe […]
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