京都の冬の風物詩のひとつに「大根焚き(だいこだき)」があります。これは昔からある仏教行事のひとつで、大鍋で炊いた大根が参拝者へふるまわれます。
12月に行われることが多い中、三千院では2月の初午に合わせて催されるということで、行ってきましたのでご紹介です!
この数日前に大雪が降ったので、雪の残る三千院の参考にもぜひどうぞ ^ ^
幸せを呼ぶ「初午 大根焚き」の日程
三千院の「初午 大根焚き」は、毎年2月4日の立春を過ぎて初めての丑の日2月11日(初午)の前後4日間に開催されます。
以下、参考に2025年の日程を載せておきます。
- 日時 令和7年(2025) 2月8日(土)~2月11日(火)
- 時間 9時〜16時まで
- 場所 奥の院 金色不動堂前広場
- 料金 大根のふるまいは無料(三千院の拝観料は必要です。)
なぜ大根を炊くの?

冬に大根を炊く行事には諸説いろいろあり、寺院によって異なる理由や方法で大根焚きがおこなわるようです。
大根焚きは、鎌倉時代に茲禅上人が大根の切り口に梵字を書いて魔除けとしたのが始まりです。今も梵字を書いた大根を加持祈祷した後、切り分けて炊き込んでいます。古くから諸病除けに良いと信じられてきた大根をいただくと、冷えた体も芯から温まります。
※そうだ京都、行こう。より引用。
鎌倉時代の建長4年(1252年)、浄土真宗の開祖である親鸞聖人が愛宕山中の月輪寺に師である法然上人の遺跡を訪ねた帰りに了徳寺を訪れ、村人たちに教えを説きました。その教えに感銘を受けた村人たちがお礼に塩炊きの大根を馳走しました。
※了徳寺ホームページより引用。
この他、昔から大根を煮たものを食べると中風にならないと言われ、無病息災を願いながら炊きたての大根をいただくそうです。
「出世金色不動明王」の前で「護摩供」された大根を使用
写真は、「奥の院」にある「金色不動堂」です。
「初午 大根炊き」で使用される大根は、「金色不動堂」にある「出世金色不動明王」の前で幸先のよい年をおくれるよう祈念し、「不動護摩供」にて加持された大根です。
特別祈祷のアツアツ「大根」で無病息災・開運招福をお祈りし、今年も一年健やかに ^ ^
真言密教の修法で、不動明王を本尊として、護摩壇を設け、護摩木を焚き、様々な供物を供え、仏の智慧の火で煩悩を焼き清め、願い事の成就を祈る儀式です。
仏教用語で、一般的には祈祷と同意語として使われ、病気や災難を払うために行われる祈りの儀式を指すしますが、仏の慈悲の力が衆生に加わり、衆生がそれを信心によって受け入れることで、仏と衆生が相応することを指します。
大原で有機栽培された大根を使用

「大根焚き」に使用される大根は、地元・大原の畑で有機農法で栽培されたものだそうです!安心安全♪大原の豊かな自然の恵みをいただけるところも良いですね♪
「大根焚き」に使用される大根は、味付けも沁みやすいことで有名なのだそうですよ ^ ^
「初午 大根炊き」のふるまいはどこであるの?
写真は三千院の全体図です。「初午 大根炊き」は三千院の奥にある「奥の院 金色不動堂前広場」でふるまわれます。
だいぶ山を登るように見えますが、そんなことはありません。
私の場合は、縁側のお茶席で休憩もしたので、約45分で「金色不動堂前広場」へ到着しました。何もなければもっと早く到着できます ^ ^
幸せを呼ぶ「初午 大根炊き」をいただきます♪
写真は、いただいた大きな大根!柔らかくてほこほこでした ^ ^
直径約10cm、厚さ4〜5cmはありそうに見える大きさで食べ応えがありました!
中までしっかり出汁が染みて柔らか。そして、味は濃くなく、ほんのり干し大根のような甘さが感じられます♪
- 三千院の帰り道にある「志野 勝林院店」
- 「戸寺町バス停」の近くにある「味工房 志野 戸寺店」
「三千院」拝観の所要時間は?
「初午 大根炊き」は、「三千院」の中であるので一緒に拝観もできます。
拝観当日の様子をタイムスケジュール形式にまとめたので、滞在時間の参考にぜひどうぞ ^ ^
今回は、数日前に雪が降ったので雪景色の「三千院」です ^ ^
11時38分「大原」へ到着
写真は「大原京都バスのりば」です。
バスのりばの隣には屋根続きで「山猿そば」と「Yamazaru Cafe」がありました。
山猿そば
Yamazaru Cafe「山猿そば」は、からしそばが名物だそうで、おいしそうな響きです。
手荷物の預かりも有り

「山猿そば/Yamazaru Cafe」さんで、手荷物の預かりがありました!(2025年2月現在)
料金:1個…500円/1日
時間:荷物の受取は当日17時まで
11時42分「参道」の様子
写真は参道の入口です。三千院へ向けていざ出発♪
途中の様子はこんな感じです ^ ^
参道「大原女の小径」
急な登り坂
雪畑
大原の赤紫蘇は800年の昔からの原種大原の伝統漬物「しば漬け」に使われる赤紫蘇は、京都大原の里で800年の昔から「自家採種」を行い交雑しないように赤紫蘇を守り伝えられているそうです。(赤紫蘇は他のシソ科の植物と交雑が起こりやすいのだそうです。)
凄いですね!大原のしば漬け食べたくなりました ^ ^
しば漬け
平清盛の娘「建礼門院」が平家滅亡後に大原「寂光院」へ隠居していたところ、地元の民が紫蘇を使ったお漬物を献上すると、とても喜び「柴葉漬け(むらさきはづけ)」と名付けたことから「しば漬け」と呼ばれるようになったそうです。
建礼門院/平徳子(けんれいもんいん/たいらのとくこ)
1155年(久寿2年)誕生。1171年(承安元年)の平安時代末期に第80代「高倉天皇」に入内し「安徳天皇」を出産。壇ノ浦の戦いで平家が敗れ入水するも源氏の武士に助けられ、大原の「寂光院」へ仏門に入り余生を過ごしました。
雪畑
雪
京の野菜が主役のお食事処「志野 松門」
「呂川茶屋」炭火焼のお団子!「濃縮 和風の白だし」の通信販売はこちら
商店街みたい ^ ^
道しるべ
趣のある看板
登り坂11時54分 「見晴台」へ寄ってみました ^ ^
写真は「見晴台」からの景色です。これが京都市内から車でたった約30分の景色。すごいですね〜!
途中の様子はこんな感じです ^ ^
この先に「見晴台」
ぴよよ
階段
雪道
この先が「見晴台」
帰り道「見晴台」から参道まで20m
帰り道は木のトンネル ^ ^
途中には「椿地蔵さん」「椿地蔵さん」…大きな椿の下で落椿に埋まりそうなお地蔵さんをいつしか「椿地蔵さん」と呼ぶようになったそうです ^ ^
木の橋
呂川道は雪が溶けていない場所や凍っている階段などもあったので、滑らないように雪の日は注意が必要です。
12時2分 「三千院門跡」へ到着!
写真は「三千院門跡」の入口です。参道入口からは約20分ででした。
写真を撮ったり寄り道していたので、歩くだけならもっと早く到着できます。
階段を登った先にもお店がずらり。
石垣もあって城下町のよう
緋毛氈(ひもうせん)に火鉢 ^ ^おいしそうな抹茶わらびもち、そば、食器類、お漬物屋さんなどが軒を連ねてました ^ ^
12時5分 「御殿門」から拝観へ
写真は「御殿門」です。
お城の石垣みたいと思ったら、戦国時代に名を馳せた石工職人の技を継ぐ「穴太衆」が「自然石」を使って積んだ石組みでした。頑強でかつ美しく、時を経ても崩れないといわれているそうです。
穴太衆(あのうしゅう)
滋賀県大津市坂本の穴太地区に暮らしていた伝説の石工職人衆。自然にある石をそのまま積み上げて造る「野面積(のづらづみ)」という技法を得意とし「織田信長」が「安土城」の築城時に「穴太衆」を召し抱えるなど、全国の城づくりに大きな影響を与えたとされています。
靴はビニール袋へ
拝観中は靴を脱いでビニール袋に入れて持ち歩きます。
12時10分「元三大師」の「おみくじ」で運試し
最初の部屋「中書院」には、「おみくじ」の創始者ともいわれている平安時代の僧「元三大師(がんざんだいし)」が祀られ、その隣に、「元三大師」が変身した「角大師」という、ちょっとかわいい鬼のような絵の掛け軸もあります。
その前には、「おみくじ」があり、これを引くことができます ^ ^
12時14分 「お茶席」で雪見♪
写真は、「客殿」にある「お茶席」からの眺め。雪で池の水がシャーベット状になっています ^ ^
こちらの庭は、池泉鑑賞式庭園の「聚碧園」で、緑を集める庭とのことだそうですよ。せっかくの雪景色なのでお抹茶をいただくことにしました ^ ^
畳の上には「お茶席」らしい緋毛氈(ひもうせん)が敷かれ、座ってのんびり庭を眺められます。

お抹茶には、羊羹が1切れついています。雪景色を見ながらおいしくいただきました ^ ^
羊羹は、栃木県の日光街道に店舗を構える「三ツ山羊羹本舗」の「一口羊羹」とのことです。おいしいな、また食べたいな♪そんな場合は、電話でのお取り寄せもできるそうです!
三ツ山羊羹本舗
「三ツ山羊羹本舗」は、明治28(1895)年創業。以来、一世紀以上にわたり羊羹だけを作り続けています。日光田母沢御用邸にてご静養される皇族方への献上品、日光二荒山神社の御用品として、ご受納いただいてきた三ッ山の羊羹。明治45年には、大隈重信公より「全国特産品博覧会・有功銀賞」を受賞。
伝統に培われた昔ながらの技と、吟味された素材。そして、日光連山を源とする柔らかな水が醸し出す、純朴な味わい。口に運んだ瞬間に、さっと消えていく心地よい甘み。のどの奥に残る、素材感きわ立つ純朴な芳香。悠久の歴史が育んだ本物の味わいを、現代に極めました。
※「三ツ山羊羹本舗」ホームページより引用。
三ツ山羊羹本舗」の「一口羊羹」が気になった方は以下をご覧ください。
「三ツ山羊羹本舗」ホームページ
建物内は、撮影禁止ですが、庭は大丈夫です。
ということで、以下、外側の様子です ^ ^
縁側の修復跡
紅葉と水鉢
わき水「清浄水(しょうじょうすい)」
最後の部屋「宸殿」の出口12時45分「往生極楽院」に到着
写真は、「宸殿」の出口から見た「往生極楽院」です。
「往生極楽院」には、平安時代に作られた国宝「阿弥陀三尊坐像(阿弥陀如来像、観音菩薩坐像、勢至菩薩坐像)」が安置されています。
建物に対して大きな「阿弥陀三尊像」を堂内に収めるため、山の形に板を張って天井を高くした「舟底天井」になっていて、これは現存最古といわれています。
「往生極楽院」も内部は撮影禁止なので、以下、周辺の様子です ^ ^
「往生極楽院」の隣には池
縁側の柵には豪華な装飾
お堂の裏側には「おみくじ結び所」
お参りの後は、小道を進む
右側には出口が見えます
途中には「わらべ地蔵」12時53分「金色不動堂」への階段に到着
庭を抜けると、「初午 大根焚き」の旗が!もうすぐ到着です ^ ^

途中に「妙音福寿大弁財天」と「宇賀神」をお祀りしている場所がりました。せっかくなので商売繁盛をお祈り ^ ^

三千院の「妙音福寿大弁財天」は、「京の七福神」のうちのひとつです。
12時58分「奥の院 金色不動堂前広場」に到着!

石段を登りきると「金色不動堂前広場」へ到着です。沢山の人で賑わっていました ^ ^
大根の炊ける良い匂いと、掛け声が聞こえてきます。
「おふるまいですどうぞ〜」
「こんにちは〜」
「だいこんのおふるまいですどうぞ〜」
「おだいこんどうぞ〜」
「おめしあがりください〜」
テントに行くと、すぐにアツアツの大根をいただけました♪
写真のようにベンチが用意されていたのでゆっくり座って食べることができます。
厨房では大根たちが後ろに沢山控えていました ^ ^
京都駅から三千院へのアクセス
三千院へは、バス、地下鉄、電車などを利用して行けます。
地下鉄+バスルート
今回は、地下鉄とバスを利用するこちらのルートで移動しました。理由は、京都駅からの移動が一番早く、バスの乗車時間が一番短いからです。
地下鉄「京都駅」→終点「国際会館駅」下車(乗車時間約20分)。
「国際会館駅」の「1番出入口」を出るとすぐに「国際会館駅前」④バスのりばがあります。バスの種類は「京都バス」の「特17系統」「19系統」があります。
京都バス | 国際会館駅前 ④のりば時刻表
京都バス | リアルタイム接近情報はこちら
「国際会館駅前」から「大原」までは、(乗車時間約22分)。

写真は「国際会館駅前」④バスのりばです。
「特17系統」は京都駅発のバスになります。
バスのみのルート
時間に余裕のあるプランに。
京都タワー側にあるバス乗り場「C3のりば」からの乗車になります。
色々なバスがありますが、京都駅からの直通は「京都バス」の「17系統」「特17系統」の2種類があり、1時間に2便(最終19時のみ1便)出ています。
京都バス | 京都駅発 C3のりば時刻表
京都バス | リアルタイム接近情報はこちら
〒601-1242
京都市左京区大原来迎院町540
TEL:075-744-2531
拝観時間:9:00~17:00
11月/8:45~16:45
12月~2月/9:00~16:30
休館日:無休
拝観料:一般 700円(団体30名以上600円)
中学生・高校生 400円(団体30名以上300円)
小学生 150円
いかがでしたでしょうか?
昼間でも溶けた雪が凍っていたので、雪の時期は滑りにくい靴で行くことをおすすめします。
楽しい雰囲気の中、体が温まり、お腹も満足なおふるまいでした♪
幸せを呼ぶ「初午 大根焚き」で無病息災&開運招福はいかがでしょう ^ ^
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